実はさぁ、二週間ほど前に小学生の男の子を夜の十時ごろに保護したのさ。
隣の市町村から2時間以上かけて歩いてきたらしく、住まいのほうでは大騒ぎになっていたらしい。

警察にはすぐ連絡したんだが、この子供が、まぁ、栄養失調一歩前ぐらいやせていたんで、
警察まで行って、児童相談所などと連絡をとって対応するよう警察に申し入れたりした。
まぁ、あとでわかったんだが、どうも地元で有名な保護者みたい。虐待を疑う人にすぐ逆上して
怒鳴り散らしてどうしようもないらしいが、だからといって、子供を取り上げて保護することも
簡単にはできないらしい。

俺は単純に考えていたが、今般の民法改正があっても、簡単には親権に対抗して子供を保護で
きないようだ。普通に考えれば、虐待などがない可能性が高いならば保護者に返せばいいが
可能性がいくばくかでもあれば、医師の診察など、強制的にやらせればいいと考えるんだが、
現実にか、虐待の可能性が相当程度に強いという証拠がないと手が出せないらしい。

なかなか難しい世の中なんよ。